いい歳してですねー、
たとえば、そーですね、夏の盛り、
みんな強い日差しを避けて、西瓜食べてお昼寝してるか、
ガンガンにクーラー効かせた部屋で
甲子園なんぞ観てるときにですねー、
周りで蝉がじゃんじゃか鳴いてるんですよ。
そんな中、額にあふれる玉の汗をコブシで拭いつつ、
一心不乱に凧を揚げてる図なんてもなあ、けっこう
ですよ。伊達や酔狂じゃできない、って、これがまた 100%伊達や酔狂だけでやってるてーんだから、あきれたもんだ。
たとえば、連凧ってあるじゃないですか。
あれなんか見た目は大仰ですけど、
200枚くらいまでなら、
作るのも揚げるのもいちばん簡単な部類の凧なんです。
小学生でも作って揚げられますからね、あんなものは。
だから、ふつうマニアが連凧と言えば最低 300枚くらいからで、
100枚なんて、なにそれ、って感じ。
「僕、連凧をやってます」と言いたければ、
ひとりで 1000枚は揚げないと、マニアの世界では相手にされません。
ただ、やってみればわかりますが、縦横 36cm くらいの凧でも、 300枚連なると揚げ糸にかかる張力が 30Kg 近くになるんですよ。 これが 1000枚ともなると、 どのくらいの張力がかかるか、まあ単純な計算ですけど、 ここを計算通りにやっちゃうと、 体重より大きな力で引っ張り揚げられる理屈になって、 揚げ手が飛ばされちゃいます。 だから、何らかのマジックを使わないと、 1000枚ってのは揚げられる枚数じゃないんです。 それを揚げちゃうあたりがマニアってことなんでしょうね。
でも、マニアは何がすごいって、 江戸角凧なんか糸目糸の結びかたを見ただけで誰に教わって作ったか バレバレですし、 凧の裏をちらっと見て、 これは何県のどこで漉いた紙で、何とかゆー種類の竹を使ってるから
とか、 要するに、「伝統」とか「流儀」ってやつです。 うるさいんですよねー、これが。
たいがいの凧は尻尾を付けないで揚げるのが原則です。
凧の尻尾は凧の安定性を高める作用はありますが、
揚力の増加には寄与しません。
凧自体で十分な安定性が得られるなら、
無駄な部分であるともいえます。
構造的に尻尾を必要とする種類の凧もあるんですが、
本来尻尾なしで揚がる凧が、
製作の精度が悪くて尻尾を付けないと揚がらない、
なんてのは恥とされます。
たとえば、
このページのいちばん上の写真の江戸奴凧なんか、
尻尾なんか付けて揚げようもんなら、凧マニアの間では、
です。 江戸奴凧の翼端の風袋構造は 空気力学的にも非常に洗練された優秀な機構ですからね。 まあ、3本糸目のセッティング方法がふつうの凧と逆で、 少々微妙なもんですから、 尻尾なしで揚げるにはちょっとだけコツがいるんですけど。
わたしは、別に凧マニアじゃありませんから、 尻尾付けて揚がるもんなら、どんどん尻尾でも何でも 付ければいいと思うんですよね。 尻尾付けるとみっともないって言う人もいますが、 揚がらないよりはみっともなくないですよ。 それに、 たとえばセミフレクシブル・ソアリング・デルタ(通称ゲイラカイト) なんてのも尻尾が必要ない凧の代表ですけど、 この凧に意味もなく尻尾付けてみたら、 本来のゲイラカイトと違うシルエットになって なんとなく面白いと思います。
かといって、揚がれば何でもいいとも思わないですね。
江戸凧の一種で、「中張り」というのがあるんですが、
この凧に尻尾を付けちゃったり、
反らしかたを間違えたりしたら、
中張り独特の特徴のあるシルエットが崩れてしまって、
そりゃ、
と思うわけです。
久しぶりに中張りを揚げました
和凧の悲劇
凧の流体力学
このページの写真の凧は すべて suneye が作ったものです。 わたし、節操がないので、 どんな凧が好きとか、どんなのが得意とかってのがあんまりなくて、 凧と名が付けば何でも作りますから、 このページは本物の凧マニアの方々には耐えられないほど 無節操でいいかげんなものになるかもしれません。 でも、まあ、いいじゃないですか。
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